ウェビナー内投票、使ってる?統計データを基にした設計の考え方を大公開!
2023/05/24
こんにちは、BtoBセミナーlab.研究員の田中です。
BtoBセミナーlab.では、ノウハウやレポートなど、BtoBにおける様々なセミナー(ウェビナー)関連情報をお届けしています。
本日のテーマは、「ウェビナーにおける投票の戦略設計」です。
参加者の在席状況や表情が見えないウェビナーでは、参加者がどの程度ウェビナーに集中しているか、どの程度参加者の関心をひきつけられているか等、参加者の状況を把握しづらく、ウェビナ―途中での離脱リスクが常につきまといます。
ウェビナーにおいて、参加者の関心をひきつけコンテンツに集中してもらうためには、オフラインのセミナーと同様、インタラクティブな要素を導入することが有効な手段です。
ウェビナー中に実施できるインタラクティブな手段としてまず思い浮かぶのは、投票ではないでしょうか。
ウェビナーツールには投票機能がついているものも多く、参加者にとってもウェビナー内投票は一般的なコンテンツとして認識されているかと思います。
あなたはどのタイプ?BtoBウェビナーでおすすめの8ツールを紹介!
そこで今回は、ウェビナー内投票について、その設計方法について調査した結果をお届けしたいと思います!
目次
ウェビナー内投票、その概要や使い方は?
ウェビナー内での投票とは、ウェビナー主催者が参加者に対して質問を投げかけ、それに参加者が回答する、ウェビナーツールに備わる機能の1つです。
あらかじめ用意した選択肢の中から1つまたは複数回答を選んでもらったり、自由記述で回答してもらったり、ツールによって実現できることは変わってきます。
基本的にはウェビナーの開始前までに質問と選択肢を作成しておくことが多いですが、ウェビナー中に状況に合わせて新しい質問を作成できるツールもあります。
ウェビナーの内容や投票の実施によって達成したいことと、利用しているツールの機能を照らし合わせて、自社に最適な利用方法を考えてみるとよいでしょう。
投票内容を設計する際に考えておくべきこと
では実際に投票を作成していくにあたって、最低限おさえておきたい6つのポイントについてまずは見てきたいと思います。
1.投票の方法をちゃんと参加者に伝える
当たり前のことですが、参加者に投票してもらうには、利用しているウェビナーツールにおける投票機能の利用方法を理解しておいてもらう必要があります。
ウェビナーの冒頭に操作方法を紹介するケースが多いかと思いますが、遅れて参加してくる可能性も考慮して、投票の直前にも説明をするのが望ましいでしょう。
2.質問は1つのことについて簡潔に聞く
投票は一問一答が原則です。
解釈の仕方によっては複数の質問をしているように受け取れる、といったことの無いように、質問は簡潔なものにするよう心掛けましょう。
なお、読み手の解釈の仕方は質問文が長くなればなるほど多様になる可能性が高まるので、「質問文はできるだけ短くする」というのがわかりやすい考え方かもしれません。
3.参加者にメリットのある質問にする
「主催者に情報だけ抜き取られてる」と感じてしまうと、どうしても参加者の意欲は低下してしまいます。
そういったことを避けるために、「投票に参加することで自分も得られるものがある」と参加者が感じられる質問を作成することが重要です。
シンプルな例だと、ウェビナー内で特に聞きたいトピックを投票してもらい、その結果に合わせてコンテンツの時間配分を変える、投票結果の公開によって他の参加者の傾向などを知ることができる、などといったことが考えられます。
4.投票完了までの間の対応を想定しておく
投票の際には、参加者に対して「●時●分まで受け付けます」「●分間受け付けます」などと投票の受付時間を提示するかと思います。
その際に注意したいのが、投票が完了するのを待っている間、無言の間(ま)を作らないということです。
その場の状況に合わせてトークを展開する、というのでも構いませんが、予めどのようなことを話すのか決めておくと、より不安無く進めることができるでしょう。
5.「どれにも該当しない」という選択肢を用意する
質問の内容によっては、明確に回答ができない場合もあります。
そういった場合でもできるだけ多くの参加者の投票を得られるよう、「どれにも該当しない」といった選択肢を用意しておきましょう。
また次章で詳しく触れますが、ウェビナー内で投票をする場合は、1回だけでなく複数回実施した方が良いというデータがあります。
次の投票にもスムーズに回答してもらえるように、できる限り「選択肢が無くて投票ができなかった」という状況は避けるようにしましょう。
6.センシティブな内容について聞かない
これは説明するまでもないですが、政治・宗教・人種・ジェンダーなど、センシティブな内容に関する質問はしないようにしましょう。
データで紐解くウェビナー内投票
さて、ここでウェビナー内投票に関して興味深いデータを紹介したいと思います。
なおここで紹介するデータは、米BigMarker社が2022年の1年間にBigMarker上で開催された160万件以上のウェビナーのデータを分析して作成したレポート「2023 B2B Marketing Webinar Benchmark Report」の一部を、同社の許諾を得て抜粋・引用・翻訳しています。
著作権者であるBigMarker社に無断での二次利用はしないようお願いします。
BigMarker
The #1-rated platform for webinars, virtual & hybrid events
https://www.bigmarker.com/
2023 B2B Marketing Webinar Benchmark Report
1.ウェビナーの経過時間と投票回答率の関係
平均的パフォーマンス(*)のウェビナー、高パフォーマンスのウェビナー、最高のパフォーマンスのウェビナーという3つのコホートで結果にズレはあるものの、所要時間50~60分程度の平均的パフォーマンスのウェビナーでは、次のような傾向があることがわかりました:
- アンケートを実施するのに最適なタイミングは、冒頭の20分間
- 次に良いタイミングは、終了前(経過時間40~60分の間)
- 最も悪いのは、経過時間31~40分の間
*160万件以上のデータのうち、マーケティングパフォーマンス上位10%を高パフォーマンスウェビナーと定義
2.何番目の投票かによる投票回答率
投票の結果を最大化するためには、1回の投票では不十分であることをデータが示しています。
平均の投票回答率は、投票の回数が増えるほど高くなることがわかりました。
実際の結果は参加者の属性やウェビナーの形式、コンテンツなどによって変わってはきますが、高パフォーマンスのウェビナーでは1回のウェビナーで3~4回(場合によってはそれ以上)の投票を実施することで参加者からより多くの回答を獲得していることから、1回や2回しか投票を行わない場合には機会損失が発生すると言えるでしょう。
おすすめの投票設計
これらのデータから、BigMarkerでは冒頭の20分間の間に2回または3回投票を行い、45分程度経過した時点で最後の投票を行うことを推奨しています。
そして冒頭20分間の投票のうち、最後の投票に最も聞きたい質問を用意しておくことで、投票の効果を最大化できるということです。
例えば、このような投票設計が考えられそうです。
ウェビナーのテーマに関する認知状況や取り組み状況について質問
↓
結果を見ながら参加者の現状を共通認識化
↓
開始15分頃
現状最も聞きたいトピックについて質問
(課題感に連動するよう選択肢を設計)
↓
結果に基づきコンテンツの時間配分を変更
↓
開始45分頃
更に深堀りして聞きたいテーマや次回のウェビナーに希望するテーマを質問
さて、今回は「ウェビナーにおける投票の戦略設計」というテーマでお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事に関するご意見や「こういったテーマで調査してほしい」等のご要望などあれば、ぜひこちらの問い合わせフォームよりご連絡ください!
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