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【担当者に聞いてきた!】株式会社ラクスは中規模ウェビナーでリード獲得効率を最大化する

【担当者に聞いてきた!】株式会社ラクスは中規模ウェビナーでリード獲得効率を最大化する
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2024/03/11

こんにちは、BtoBセミナーlab.研究員の田中です。
BtoBセミナーlab.では、ノウハウやレポートなど、BtoBにおける様々なセミナー(ウェビナー)関連情報をお届けしています。

本日は、セミナー担当者・ウェビナー担当者の業務を深掘りしてセミナー・ウェビナー運営業務への理解を深めるべく、株式会社ラクスさんにインタビューをしてきた結果をレポートします!

さっと読みたい方はこちら:
【<エッセンシャル版>担当者に聞いてきた!】株式会社ラクスさん編

株式会社ラクスさん

「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに、SaaSなどのクラウドサービスやIT人材の派遣事業などを行う株式会社ラクスさん。楽楽シリーズ(楽楽精算・楽楽明細・楽楽販売)のテレビCMを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
そんなラクスさんのクラウドサービスの中でも、問い合わせ管理システムの「メールディーラー」やメールマーケティングサービスの「配配メール」など、フロントオフィス向けのサービスを取り扱うラクスクラウド事業本部でセミナー・ウェビナー施策を担当する宮坂さんと、マネジャーの窪田さんにお話をうかがってきました。

窪田 崇さん窪田 崇さん株式会社ラクス
ラクスクラウド事業本部 ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課 課長
宮坂 夏生さん宮坂 夏生さん株式会社ラクス
ラクスクラウド事業本部 ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

目次

  1. オンラインプロモーション施策の1つとしてウェビナーを実施
  2. 他チームとのスムーズなコラボレーションでコンテンツを作り上げる
  3. 0からウェビナー施策を立ち上げるプロダクトも
  4. リードの獲得効率を高めるためのアプローチ
  5. 今後は共催候補の企業リストの管理も
  6. ウェビナー施策のゴールとKPI
  7. 過去の失敗パターンへの対処


オンラインプロモーション施策の1つとしてウェビナーを実施

─まずはセミナー施策の取り組み体制について教えてもらえますか?

窪田私達は今オンラインプロモーション課というチームでやっていて、基本的にはその名の通りオンラインのプロモーション施策を担当しています。
その中で、ウェビナーについてもオンラインというくくりでやっているのですが、チームのミッションとしては「新規リードの獲得」というところがあるので、ウェビナーの中でも新規リード獲得をメインとした共催ウェビナーを主に実施している状況です。企画部としては単独ウェビナーも行っているのですが、そちらは主に自社のハウスリスト向けのナーチャリング施策として、別のチームが動いています。

─ウェビナー以外には、どのようなチャネルを担当されているのでしょうか?

窪田リスティングなどのweb広告や、オーガニック(SEO)といったwebまわりのチャネルですね。

宮坂弊社で運営している「メルラボ(Mail Marketing Lab)」のメルマガ会員向けのナーチャリングについては、配配メールの新規リード獲得施策という位置づけで私達のチームが担当しています。

─チームの構成はどのような形でしょうか?

窪田現状マネジャーの私含めて9名で構成されています。
役割分担としては、リスティング広告等のPaid領域のユニット、非Paid領域としてオーガニックをメインとしたSEO・webサイト運営まわりのユニット、メルラボとプラスアルファのユニット、そしてウェビナーのユニットでそれぞれ担当分けしています。
ただそれはあくまでも主担当としてであって、それ以外にも副担当という形でだいたい1人2領域くらい見ている状態ですね。

取り組み体制

─なるほど。その中で、ウェビナー担当の宮坂さんはどのような領域を副担当として持たれていますか?

宮坂今はメルラボのユニットで新規会員獲得のための施策を考えたり、他にもコンテンツグループとしてコンテンツの作成や管理に携わっています。

─結構やること盛り沢山ですね。そうなると、主担当であるウェビナー施策には全工数の中でどれくらいの割合を割けているのですか?

宮坂現状は95%くらいウェビナーに割いていますね。
今後は残りの5%の部分を増やしていきたいと思っているのですが、今の段階では共催ウェビナー全体のノウハウを持っているのが私だけなので、全体進行で手を動かしながら、ディレクションもして一部のタスクのみ他のメンバーに切り出している状態です。
先々のことを踏まえると、ノウハウを言語化・共有して誰でも再現可能にするというのは、取り組んでいかなくてはならない課題だと考えています。


他チームとのスムーズなコラボレーションでコンテンツを作り上げる

─続いて、ウェビナー担当者としての業務の中身についてうかがえればと思いますが、日々の活動はどのようなものになりますか?

宮坂稼働時間の大きい部分としては、社内外とのコミュニケーションや調整がありますかね。
自分だけではなく様々な人の助けを借りながら進めていくので、例えば作成したウェビナー集客メールのリストや文面の確認依頼だったり、LP作成の相談・依頼、集客状況の共有、コンテンツ作成のための情報収集の協力依頼など、誰かと何かを考えたり作ったりするコラボレーションの時間が結構多いと思います。

─コラボレーション作業は社内とが多いですか?それとも社外とが多いですか?

宮坂今のところは社内が多いですね。
他社と共催するにあたっては、自社の目的やテーマとそれに合わせたコンテンツを以て「ラクスとしてはこういうテーマでこういった共催をしたいと考えています」というものが必要なので、そのあたりについての社内での相談や打ち合わせは丁寧にやっています。
特に私個人で言うと、これまで担当していた配配メールに加えて新たにメールディーラーも受け持つようになったので、関係部署と連携しながらメールディーラーへの私自身の製品理解も含めてテーマ出しやコンテンツ作成などに注力しているところです。

─なるほど。では逆に言えば、配配メールに関するウェビナーの場合にはそこまで社内コラボレーション作業は多くないということになりますか?

宮坂そうですね。配配メールのウェビナーであれば、業務分担も含めて比較的スムーズに行える状況ではあります。

─ありがとうございます。業務をスムーズに進めるという意味では、ご自身の製品理解度から来るアウトプットの作成効率という個人の軸と、それが公式アウトプットとなるまでの調整・承認効率という組織の軸があるかと思いますが、後者については割と宮坂さんの方で裁量持ってやられている形ですか?

宮坂そうですね。(配配メールの場合)特に私自身が登壇する場合には、ある程度自分で作って決めて進めていくというケースが多いです。
一方で登壇者を他のチームにお願いする時には、そのチームと相互に確認し合いながらFIXしていきます。最近は製品企画チームなどに登壇を依頼することが多いので、そこの調整などを行っています。

株式会社ラクス宮坂さん

─ウェビナーコンテンツは登壇者が作成する体制ですか?

宮坂そうですね。できるときはそういう形にしています。
というのも、プロダクトが解決できる課題に紐づけてコンテンツを作成する場合、私よりも製品企画チームの方がプロダクトをよりタイムリーかつ深く理解しているので、適任者として作成もお願いしたいと考えています。とはいえすべてを製品企画にお願いしているわけではないですし、リソースの問題もありますから、コンテンツグループとして作成したもので進めることも多いです。

─ではコンテンツの作成プロセスとしては、オンラインプロモーション課でテーマを決めてそれを製品企画チームに落とし、それを基にコンテンツのたたき台を作ってもらって、双方で揉む、みたいな流れですか?

宮坂だいたいそのような流れですね。
ただ、製品企画チームにコンテンツ作成を依頼した場合、彼らのコンテンツ作成能力が高いのもあって、そこまで内容に関して手を加えることは多くないです。
元々営業経験があったり、セミナー登壇の経験があるメンバーがたまたま製品企画チームに複数いるというのもあって、ある程度お任せしても高いクオリティでコンテンツが出来上がってくる非常にありがたい状況です。

─それはスムーズな進行においてはとても大きな要素ですね。
ちなみに、企業によってはコンテンツの型が決まっていて、そこに毎回テーマに合わせた文章を流し込むだけ、というケースもあったりしますが、そういったコンテンツ作成の効率化という面でやっていることはありますか?

宮坂型を作る、みたいなことは今はやっていないですね。
以前に、資料をパーツ化しておいて必要なものを組み合わせれば完成するようにしておこう、ということにも取り組んではみたのですが、なかなか共通して使えるパーツができなかったり、ベースとなる資料の置き場所が共通認識化されていなかったりで、結局毎回再作成する感じになってしまって。。。
ただ、直近で何かに使った資料で、再利用できそうな部分は再利用する、という形での効率化は今も行っています。

窪田あとは、データなどのエビデンスを用意しなくてはいけない時に、他のチーム含めて情報を効率的に集められるようにはしています。

─具体的には、どのようなデータを集めたりしていますか?

窪田(配配メールの場合)基本的にはメールマーケティングに関するデータで、例えば自社内でのメルマガ施策が開封率・クリック率はこういうことやったらこういう結果になったとか、IS(インサイドセールス)チームがどういう活動をしてどれくらいの商談・受注に繋がっているか、といったデータなどですね。

─なるほど。そのあたりはデータ収集の作業を分散して、コンテンツ作成がスムーズに進むようにしているということですね。


0からウェビナー施策を立ち上げるプロダクトも

宮坂一方で、新たに共催ウェビナーをやり始めたメールディーラーに関しては、そういった体制も含めてこれから構築していくという状態です。

─配配メールと違ってメールディーラーはこれから構築というのはどういう背景がありますか?

窪田配配メールとメールディーラーではプロモーションチャネルのリソース配分が結構違っていて、プロダクトの特性上メールディーラーはセミナー・ウェビナーをそこまでやってこなかったというのがあります。
全くやってきてないわけではないので、一部のノウハウやコンテンツは残ってはいるのですが、コンテンツのアップデートなども考えると、ゼロベースでしっかり構築していく必要があるなと感じています。

株式会社ラクス窪田さん

宮坂ターゲット層に広く喜ばれるコンテンツって、特定のプロダクトやサービスを使わないとできない何かではなくて、広く応用が利くノウハウだったりすると思っています。現状は、メール管理共有ツールで実現できることを深掘りしたノウハウ…つまり検討意欲や課題感が強い方向けのコンテンツが中心であるため、もう少し緩めというかライトな方面でのバリエーションが必要だと感じています。

─一定程度課題感が明確になっている層へのナーチャリングに使えるコンテンツはあるけど、新規リード獲得というミッションに当てはめると、より広いテーマでのコンテンツが必要、というイメージですかね?

宮坂そうですね。
とは言え、他のプロダクトも含めラクスのCS(カスタマーサクセス)チームや営業チームは社外とのやりとりにメールディーラーを使っているので、その中での知見やノウハウはあるはずなんですよね。なので、そこから数値化できるものや事例として出せるものを集めて、コンテンツとして提供できる形にまとめる、というのが今からやらなくてはいけないことだと思っています。

─自社でのプロダクト利用を通じて、メールディーラーの顧客層が抱えている課題やインサイトを抽出して、大きなテーマとしてウェビナーが開催できるようにする、というイメージですね。
そうすると、それぞれのプロダクトでウェビナー施策のステージや課題が全く違うという中で、プロダクト間の工数配分はどのようにされていますか?

宮坂今は配配メールが6~7割くらいで、残りがメールディーラーという感じですが、プロダクトのLTVなどを考えると、今後は割合を逆転していかないといけないと考えています。
でも工数を減らしたからと言って配配メールのウェビナー経由リードを減らす訳にはいかないので、同時に獲得効率を上げていく必要があります。


リードの獲得効率を高めるためのアプローチ

─獲得効率を上げていくというテーマに対して、今の時点で見えている方向性のようなものはありますか?

宮坂はい。1イベントあたりの集客数や獲得リード数を増やしていくことが重要と考えているので、その手段としてカンファレンスのような形での開催を増やしたいと思っています。
2社共催よりも共催社数が増える分1回あたりの工数は増加しますが、1カンファレンスあたり500名などの集客ができれば、年間のイベント開催数を減らすことができ、獲得効率が高まる想定です。

─カンファレンスの開催となると、2社共催とはまた運営も変わってくると思いますが、例えばこの記事を読んでいる方が「カンファレンスにチャレンジしよう」となったときに気を付けておいた方がいいこと、意識しておいた方がいいことなどはありますか?

宮坂そうですね、まずは一緒に参加する企業の数が普段のセミナーより多くなるので、がっつり競合同士になる企業へのお声がけは慎重に進める、集客力の差ができるだけ生まれないようにするなど、そういった取り合わせの部分は気を付けたいですね。
幸い、配配メールは共催ウェビナーを何年もやっている中で他社さん主催のカンファレンスにおよびいただく機会もあったので、こういった機会に求められるだいたいの集客の相場観がつかめているというのと、自社ハウスリスト内の皆さんのニーズや好みそうなコンテンツの傾向も把握できているので、そこに合致しそうでかつ集客力もある企業にお声がけする、というのはできている状態です。

─カンファレンスは声がかかったら参加するというスタンスですか?それとも自社から結構声をかけていく感じですか?

宮坂これまではお声がけいただいてという形が多かったのですが、今後は自社から声をかけて開催するケースを増やしていきたいですね。
3社までの共催ウェビナーはそれなりに開催していたのですが、これからは5~6社とか、あと10数社というものも考えてみたいと思っています。

─先日も4社で共催されてましたよね。

ラクスさん主催4社共催ウェビナーインタビューの前週に開催されていた、ラクスさん主催の4社共催ウェビナー

宮坂はい、自社主催のああいった規模のイベントは定期的に開催していきたいですね。

窪田我々の中で、10社程度が集まる大規模なものをカンファレンス、4社共催くらいを中規模セミナー・ウェビナーと便宜的に呼称していて、中規模のものを四半期に1回という形で定期的にやろうと計画しています。

宮坂一方で、メールディーラーの場合は中規模のセミナーやカンファレンスを主催するというのはまだ難しいと考えています。
何社も集まって集客し合いながら成功させましょう、というイベントなので、参加するにあたっては自社に一定の集客力と、企画力も求められると思っています。
そういった面で、メールディーラーはまだどういったテーマならどの程度集客が見込めるのか、ということもつかめていない状況なので、いきなりカンファレンスというのは飛躍しすぎているかなと感じています。

─なるほど。では「カンファレンスにチャレンジする」という場合には、そういった部分が自社で把握できてないと難しいということですね。

宮坂そうですね。こういったテーマであれば過去の実績からこのぐらい集客できる、という数字を作っておくのが大事だと思います。

─こういう共催企業との組み合わせなら成功確率が高いという選定基準を、これまでの成功体験を基に作っておくことと、過去実績を基に自社における共催テーマ別集客数見込みをベンチマークとして持っておくこと、この2点を意識した方がいいということですね。

宮坂はい、その2つが大事ですね。
あと、企業やサービスとしての相性はもちろんですが、可能であれば登壇者の相性も考慮できると参加しやすいかなと思っています。

─それはとても興味深い観点ですね。

宮坂例えば、過去に別のイベントでご一緒されていた経験があるとか、X(旧:Twitter)で仲良くやりとりされているとか、そういった部分も可能な範囲で気にかけていきたいです。その他、イベント担当者と登壇者の連携がどのくらいとれているかもおさえておきたいですね。登壇者との事前の認識共有や連携が甘く実際に起きてしまったケースとしては、初学者の方がメインターゲットのイベントで、パネルディスカッション中に専門用語が多く飛び交ってしまう、ノウハウ系のウェビナーで、伝えたい想いが先行するあまり提供サービス説明の時間が多くなってしまい、予定時間をオーバーしてしまうなどがありました。

─なるほど、そういうことですね。それは確かに共催ウェビナーやカンファレンスをする際に結構重要なポイントな気がしますね。
登壇者自身のキャラクターみたいなところももちろんあるとは思いますが、共催相手の社内でのコミュニケーションがちゃんと取れているか、担当者間だけではなく登壇者まで含めてしっかり握れているか、というのはすごく大事な観点ですね。

宮坂最近はカンファレンスに呼ばれると、各社にしっかり「ターゲットはこういう層ですよ」という説明があったり、「全体のうちの営業トークの割合はこれくらいに留めてくださいね」、「持ち時間はこれくらいで、それを過ぎるとこういう措置をします」など、細かなルールが整備されてきて、そういった事故を未然に防ぐように運営がブラッシュアップされてきているなと感じます。

─みなさんしっかり過去の経験から枠組み化をしているようですね。しかし「営業トークの割合を指定する」というのは結構細かな指示ですよね。コンテンツを一定指定するということなので。

宮坂そうですね。ちなみに、先日開催した4社共催ウェビナーの際にも、全社分のコンテンツチェックを私の方で実施しています。
LPでお約束している、「こういうことを話します」という内容が網羅されているかを1つずつチェックして、抜けている要素を加えていただいたり、逆に他の企業が+αの内容をご紹介いただいているが1社だけそれが無い場合には、それをお伝えしてコンテンツを追加していただいたりという調整をしていました。

─結構踏み込んだ調整ですね。なかなかそこまで踏み込むのは難しくはないですか?

宮坂私個人の意見だけではなく、事前の調査でわかったユーザーのニーズに基づいて企画立案しLPを作成・公開しているので、LPで約束した内容を守り、ご満足いただけるように頑張っています。
過去に共催ウェビナーを実施した際のアンケートに、「登壇企業ごとに内容がズレていた」と書かれたことがあって、それを改善したいということも伝えて、ご理解いただいています。

─「過去のアンケートでそういう意見があった」というのは、他の共催企業にも理解してもらいやすい材料ですね。
それに加えて、ニーズやコンセプトを共催の企画段階でちゃんと共催企業間で握っておくことで、コンテンツの細かな部分を含めてお願いをしやすい空気を醸成している、というイメージですかね。

宮坂そうですね。


今後は共催候補の企業リストの管理も

─少し戻ってしまうのですが、先程「集客力に大きく差が生まれないように気を付ける」というお話がありました。とは言え実際にはそういうケースもあると思いますが、そういう時はどうされてますか?

宮坂自社が主催で中規模ウェビナーをやる場合ですが、最初の時点で「1社あたりこれくらい集客して、合計で何名を目標にしましょう」という話をすると、「うちはそのテーマだと集客厳しめかもしれません」といった反応をする企業ももちろんいます。
ただこちらもその企業がどういうプロダクトを持っていて、どういうテーマに強いというのはわかってお声がけしているので、あまり無理難題は言わず「全体で目標達成をする」ことを重要視して各社合意を得るようにしています。

窪田そもそもそういう企業はコンテンツ面で支援していただくイメージでお声がけしている、というのもありますね。

宮坂集客数に固執してしまうと、集客はできても届けたいコンテンツが届けられずにイベントの質が下がってしまうので、コンテンツの質と全体の集客力のバランスを考えながらお声がけをする企業を選定しています。

─既存のネットワークの中からバランスが取れる企業を選定するのは結構難しそうですね。

窪田そうですね。実はその先日の4社共催も、裏ではもっとお声がけはしてたりします。

─ちなみに、今の共催企業のネットワークはどうやって構築してきたのですか?

宮坂昔はアウトバウンドでやってました。
配配メールと相性の良さそうな企業に展示会でお声がけしたり、その企業のセミナーに参加して「うちともやりませんか?」と持ち掛けたり、あとは問い合わせフォームとか電話で連絡したりしてましたね。

─反応率はどうでした?

宮坂低かったですね(笑)
既にセミナーをやっている企業であれば、ある程度検討はしていただけるのですが、そもそもセミナーもやっていない企業の場合は急に共催ともいかないので、全然ダメでした。それが本当に初期の頃ですね。
ただ共催をしていくと、一度共催した企業を通じて他の企業にお声がけしたり、セミナー案内を見た企業から共催してほしいとお声がけいただいたりという形で輪が広がっていきました。

株式会社ラクスでウェビナー施策を担当するお二人_1

─ちなみに、共催のネットワークの管理というか、お声がけできる企業とかはリスト化等されていますか?

宮坂今はできていないです。今後私以外のメンバーも共催ウェビナーを企画するとなると、既存のネットワークをうまく活かせない可能性がありますね。
逆に他の企業はどうやって管理されているのか知りたいですね。

窪田配配メールでは「法人向け/個人向けかビジネスモデル」「おおよその保有アドレス数」の2軸で、架電などの対応優先度を切り分けています。その優先度順に"ティア1~3"などと呼んでいるのですが、ウェビナー施策でもそれぞれに合致する参加者がどれくらいだったかというのを指標として見ているので、共催相手から送客頂ける新規リストのティア1含有率などの情報も今後は管理していけると良いなと改めて感じますね。


ウェビナー施策のゴールとKPI

─ちょうど指標に関するお話が出たので、ここからはウェビナー施策の目標などについてうかがっていければと思います。現状ウェビナー施策ではどのようなKPIを持っていますか?

窪田ウェビナーで獲得したリードをパスした先のISチームでの獲得アポ数を、施策のゴールという形で目標として持っています。細かくは、ティア1のアポ数ですね。

─ということは、ウェビナーに参加していただく時に、保有リスト数とかの情報を入れてもらっているということですか?

宮坂はい、参加申し込み時の必須項目としてフォームに加えていて、そのデータを基に参加者の中でティア1に属する方に優先的にISチームが架電する流れになっています。

─ちなみに、アポ数の目標値はどれくらいですか?

宮坂だいたい月間で7~8件を目標としています。
セミナーごとに集客数が結構変わってくるので、1回の開催あたりでは特に目標設定していないですね。

─ウェビナー参加者数からのアポ化率はどれくらいになりますか?

宮坂共催の規模によって結構変動するのですが、中規模ウェビナーなど数百名規模になると低めで数%程度、ターゲットを絞った小規模の共催ウェビナーの場合は12~13%くらいのアポ率になる印象です。

─なるほど。ではリード数含めて数を獲りたい場合にはカンファレンスなどの大きめのイベントを選択して、ISの工数含めアポ率など効率を意識したい場合は2社共催を選択する、みたいなイメージでしょうか?

宮坂そうですね。

─ちなみに、ゴールであるアポ数に最も影響を与えると考えている指標は何になりますか?

宮坂個人的にはアンケートの回収率でしょうか。
回収率はアンケートの取り方によって変わる印象ですが、アンケートの回答内容を目印に優先順位を付けて架電するので、重要と考えています。

─なるほど。アンケートの回収率って、一定ウェビナーの満足度とも相関するかと思うので、参加者側の意欲の高まりを測る面でも重要ですが、運営においてもアフターフォローの優先順位付けて効率化するという面で確かに重要ですね。
毎月のアポ数目標の達成に向けて、ウェビナーの開催頻度はどれくらいですか?

宮坂だいたい月1~3回くらいの頻度で共催ウェビナーを開催するイメージですね。
ただこれはあくまでも1つのプロダクトなので、実際にはこの倍開催することになります。なので、これをいかに少なくしていくかということが大事になってきます。
あとリード獲得の効率化という面ではアーカイブ配信もしているので、走っているLPの数で言うと最大で月に8つとかになりますね。

─それを1人でやってるというのは、すごいですね!

宮坂それだけの数をやっていると、集客メールも混線してくるので、共催ウェビナーを組む時にはテーマやキーワードなどが直近のものと被らないようにうまく交通整理をしながらスケジューリングしています。


過去の失敗パターンへの対処

─これまで数多くのセミナー・ウェビナーを開催されてきたと思いますが、「これは失敗したな」というようなものはありますか?

宮坂実施する前に流れちゃう、というのがたまにありましたね。
例えば営業チームが「共催セミナーやりたいって企業様がいる」と紹介してくれて、打ち合わせに参加してみたところ結局「ターゲット合わないですね」という結論になって解散したり。
あとはそこで解散できるといいんですけど、もう実施する前提で話がついてしまっていると、ターゲット合わないけどとりあえずやってみて、やっぱり集客ガタガタ、というのはありました。

─営業上の付き合いで、というパターンですね。

窪田おっしゃる通りで、誰に何を届けるのかという前提の前に座組みが決まっちゃってる状態です。

宮坂「こういうセミナー面白そうですね」とか「こういうコンテンツめっちゃニーズありますよね」という入りなら問題ない印象なんですけど、「2社で何かやりたいね」からの「とりあえずセミナー共催してみますか」のパターンは、慎重に進めたほうがいいというのが経験上あります。

株式会社ラクスでウェビナー施策を担当するお二人_2

─危険な香りがしますね(笑)
営業に限らず、上層部や投資家とかからの紹介で、みたいなパターンも含めて、他の企業でも割とあるケースなのかなと思いますが、何かアドバイスできることってありますか?

宮坂共催ウェビナーの企画書とかってネット検索でも出てくると思うんですけど、そういうものをぱぱーっと準備できるくらい具体的なイメージがわいている場合はセミナーにする、などの線引きが良いと思います。
企画書で重要な、セミナーのテーマやターゲット設定がそもそもわからないとか、検討に苦労して時間がかかりすぎるなら、セミナー以外の取り組みを検討すべきです。例えば、一緒に商談時に使えるチラシを作るとか、小規模な勉強会を相互に開催してみるとか、簡単なLPを作ってメルマガで相手企業のサービスを紹介してみるとか、できることは他にもあると思うので、共催セミナーよりライトなものでまずは試してみる方向に切り替えるのがいいと思います。

─予めフォーマットを作っておいて、例えば「これらの項目にちゃんと答えらえるかどうかで共催セミナーの可能性があるか判断してくださいね」みたいなことを社内で事前に共有しておく、といった形ですかね。

宮坂そうですね。「新しいセミナーをやるのはけっこう大変ですけど、どれくらいの成果を見込んでるんですか?」っていうところを事前にちゃんと考えてもらえるといいのかなと思います。

─なるほど。セミナーを多数やられてきたからこそ言えることでもありそうですね。
以上でインタビューは終了となります。本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました!

メールディーラー サービスサイト https://www.maildealer.jp/

配配メール サービスサイト https://www.hai2mail.jp/

メルラボ https://mailmarketinglab.jp/

メルラボ セミナー一覧 https://mailmarketinglab.jp/seminar/





さて、今回は株式会社ラクスさんへのインタビューレポートをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?

  • コンテンツ作りのための情報の集め方
  • ウェビナー施策におけるリード獲得効率向上へのアプローチ
  • カンファレンスにチャレンジする際の準備と心構え
  • ウェビナー施策のゴールに対する考え方と指標
  • 不用意なウェビナーを開催しないための予防策

などなど、とても参考になるお話ばかりでしたね。
個人的には、これらを基本1人でやられている宮坂さんの凄さにびっくりです。
皆さんも、「取り入れてみたい!」と思った話や「ここもう少し知りたい」などがあれば、ぜひSNSで教えてください!

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